2011年08月28日

カイヴァリヤダーマ研究所

ヨーガを学術的な研究の対象とし
技法の科学的な合理性を解明することで

ヨーガの一般社会へ
の融合と貢献の方向性を示したのは、
カイヴァリヤダーマ研究所の創立者である
スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)です。

カイヴァリヤダーマ研究所

スワーミー・クヴァラヤーナンダ(Swami Kuvalayananda)は
この研究所を、当時専門のヨ-ガ修行のみに与えられる特権と
見なされていた、神秘的・精神的体験の本質を一般人にも
役立てることが出来るように、現代科学の方法論で
調査・研究し、その原理を解明しようという意図のもとで開始した。
伝統ヨーガの理論とリソースより引用

例えば、
 アーサナの定義:
  ◎静的なストレッチングを含んだ特定の姿勢パターン
  ◎心と身体を安定させ、心身の機能全体の調和を図る技法
 アーサナの目的:
  ◎神経・筋肉系の緊張性刺激に適切なリズムを確立
  ◎全般的な筋緊張(muscle tone)、姿勢反射を調整
  ◎他のヨーガ技法の実習に必要な基礎を準備

 プラーナヤーマの定義:
  ◎自律神経系の神経インパルスが流れる回路の
   自律神経系の神経インパルス一つである呼吸器系の
   神経インパルスをコントロールする技法

 プラーナヤーマの目的:
  ◎自律神経系を意識的にコントロール
  ◎高度なヨーガの技法の準備

となります。古典的な表現では
ヨーガスートラにおいて、

 アーサナは
  ◎安定して(落ち着いて)、快適(無理がない)なのがアーサナ

 プラーナヤーマは
  ◎そうして(アーサナで落ち着いてから)、入息と出息の運動が
   一時的に止まることが、プラーナーヤーマ

となります。ヨーガスートラは紀元前3世紀頃の文献です。
その当時のヨーガをする人は、この定義において
ヨーガを実践していたのです。

カイヴァリヤダーマ研究所では、現代の私たちが理解できるよう
生理学的、心理学的、見解、研究の元でヨーガを科学、考察
しているのです。

したがって、インドという地域、文化を超えた世界中の
人々がヨーガの理解、実践を安全に確実に行え、
ヨーガで期待できる恩恵を受けることが可能になります。

おきなわヨーガ、木下克俊は
2010年カイヴァリヤダーマ研究所での
6週間コースCCYを受講しました。
(詳細なレポートはこちらにあります。)

カイヴァリヤダーマ研究所

CCYは ベーシックで体系的な
ヨーガの理論と実習を紹介するコースです。

講義科目は以下の通りでした。
これらの内容をクラスでも少しずつ取り入れながら
ヨーガの理解、実践を行っています。

(1)ヨーガと体育教育 
① ヨーガのコンセプトと体育教育
② ヨーガと体育教育の目的
③ ヨーガと体育教育の共通項としての教育
④ ヨーガと体育教育の手段
⑤ 体育教育におけるエクササイズのコンセプトとヨーガ実習との比較
⑥ ヨーガによって取り扱われる人格の統合の問題
⑦ 体育教育におけるヨーガの応用
⑧ 体育教育におけるヨーガの技法の有用性
⑨ 最良の結果を出すためのヨーガと体育教育の連携

(2)人体の構造と機能とヨーガの実習の効果
① 人体のシステムの簡潔な紹介:呼吸器系、消化器系、筋肉系、神経系、循環器系
② アーサナ:定義と分類、アーサナとエクササイズの類似点と異なる点
③ アーサナにおける姿勢の生理学
④ プラーナーヤーマ:定義と分類、プラーナーヤーマと深呼吸の違い
⑤ クリヤー、ムドラー、バンダの簡潔な紹介
⑥ ③と④の解剖・生理学との関連と適切な研究事例の引用による解説
 
(3)伝統的ヨーガ
① チャランダースの「アシュターンガ・ヨーガ」を中心に次の文献参照:「ヨーガ・スートラ」、「ギーター」、「ハタ・プラディーピカー」、「ゲーランダ・サンヒター」、「ヨーガ・ウパニシャド」、「シヴァ・スワローダヤ」、「ヴァシスタ・サンヒター」 etc.
② ヨーガの紹介と定義:パタンジャリ、ギーター、ゲーランダ、チャランダース他参照.
③ 身体の活性ポイント:「ヴァシスタ・サンヒター」参照
④ パンチーカラナ・プラクリヤ(技法の複合):「シヴァ・スワロダーヤ」、「サンヤマ・ヨーガ」参照
⑤ ニヤマ、アーサナ、ヴァーユ、ナディー、プラーナーヤーマ、8種類のクンバカ、クンダリニーの覚醒
⑥ ナーダ、ムドラー、バンダ、チャクラ、プラティヤーハーラ、ダーラナ、 サマーディ、シャト・カルマ
⑦ マハーバンダ、ムドラーとバンダの効果、シッディ
   
(4)ヨーガと価値教育:価値の意味、分類、重要性
① 価値教育の意味と目的、
② 価値教育の内容:精神的価値、個人的価値、社会的価値、国民的価値、民主主義、識字率、世俗主義、人口抑制、環境問題
③ 価値の構築に向けてのヨーガの貢献、ヨーガと人的資源開発
④ 価値教育の方法論

(5)ヨーガと心の健康
① 健康、心の健康、衛生、精神衛生:ヨーガと医学的な展望
② ヨーガと現代心理学:実存的問題への統合的なアプローチ
③ 正常性のコンセプト:心理学的とヨーガ的なアプローチ
④ 感情障害:原因、影響、修正、「ヨーガ・スートラ」による対応
⑤ 葛藤、欲求不満:ヨーガ的な解決
⑥ 個人と対人関係:ヨーガによる適応
⑦ ヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ:身体的・心理的  健康への貢献
⑧ 祈り:ヨーガの実習における重要性

カイヴァリヤダーマ研究所について詳しくは
伝統ヨーガの理論とリソース
をご覧ください。



Posted by katsukino at 19:53│Comments(0)
 
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