2009年08月21日

アーサナ



アーサナとは身体の「姿勢、体位」を意味します。ですから、アーサナはけっして運動としてではなく、姿勢としてとらえ、行わなければなりません。さらに、アーサナの生理的効果は、運動の生理学である運動学の原理にもとづくのではなく、姿勢の特徴である静的緊張反射の原理にもとづいて考えなければなりません。
動くことが根深い習慣になっている私たちは、身体訓練とは激しい活動や運動でなければならないと思い込んでおり、アーサナについてもそうした観点から考えがちです。(略)安定した姿勢とは<神経―筋肉>の活動の停止を意味するのではない、ということは理解しておく必要があります。

坐り方は、安定した快適
なものでなければならない。(2-46)

安定した快適な坐り方をするには、緊張をゆるめ、
心を無辺なものに合一させなければならない。(2-47)

そのとき、行者はもはや対立する状況に
悩まされることはない。(2-48)

パタンジャリは、緊張のリズムの阻害である「身体の震え」は、二つの相反する神経インパルス、彼の言葉を借りればプラーナのインパルス、の衝突や不調和、相互交流の欠如によるものであると述べています。

アーサナは本来、「身体の震え」すなわち身体のリズムの障害を克服し、心身全体の働きに調和を取り戻させようとするものである。
アーサナはたんなるポーズではなく、ある一定の姿勢パターンであり、系統発生的にも個体発生的にも下位の古い段階に属しているため、それ自体はむしろ奇妙な形であり「異常」に見える場合もある。アーサナの多くには、動物や鳥、は虫類などの名前がついていて、それらの形をまねしている。またその他に、胎児、幼児などの初期の発達段階をあらわすアーサナもある。
アーサナは、統合をつかさどる下位中枢ができるだけ自由に働くようにするために行われる。したがって、効果の点からみると、アーサナの姿勢こそが非場に重要である。アーサナは、下位中枢の働きによって身体に本来の正常なバランスを取り戻させるという目的のために編みだされたものである。
この目的のためには、最小限の努力で、すなわちリラックスして、完成した姿勢を維持することが必要である。これを可能にする最善の方法は、姿勢に心を向けず、何か他のもの、なるべくなら、パタンジャリが指摘するように、無辺なものに思いをむけるようにすることである。もう一つの方法は、「大洋感覚」をもつようにすることである。その当然の結果として、心身がリラックスするばかりでなく、容易に「私」という表面的な人格を超えることができるようになる。(P67)(ヨーガ・セラピーより引用)


日常の私たちはどんな姿勢
パターンをしているでしょうか?

食事をする。
洗濯物をほす。
シャワーをする。
掃除機をかける。
パソコンをする。
歩く。
どんな時でも、なんらかの姿勢を
行っています。

これらをヨーガ・スートラの
三つから分析してみると
例えば運転中の姿勢では

運転しながら、携帯で話をしたり
お菓子を食べたりというのは、一度に二つも三つも行為を
重ねて、不安定で、不快な姿勢ですね。

→坐り方は、安定した快適
 なものでなければならない。(2-46)
とは反対の姿勢です。


無辺なものに合一させるどころか、電話での内容、
お菓子の味、目の前の信号、後ろの車と心は緊張して
いつも外側の情報に忙しい状態です。

→安定した快適な坐り方をするには、緊張をゆるめ、
 心を無辺なものに合一させなければならない。(2-47)
とは反対の姿勢です。

電話の応答、赤信号で止まり、横からくるバイクと
目まぐるしく変化する情報を選ぶ必要が
迫っていて、いつも悩んでいる。

→そのとき、行者はもはや対立する状況に
 悩まされることはない。(2-48)
混乱状態です。

お母さんと赤ちゃんの
もう一つの姿勢を見てみましょう。

突然泣き始めた10か月の赤ん坊を抱きあげて
子供が安定して快適である姿勢を見つけ、
お母さんは抱き上げる

→坐り方は、安定した快適
 なものでなければならない。(2-46)
安定して快適な抱っこです。

お母さん自身の緊張を和らげ
寒いのか。暑いのか。痛いのか。かゆいのか。
お腹がすいたのか。眠いのか。
と「無辺なもの」赤ちゃんの気持ちになって
みる。

→安定した快適な坐り方をするには、緊張をゆるめ、
 心を無辺なものに合一させなければならない。(2-47)
お母さんと赤ちゃんが一つになる。

今忙しいのに、なんで泣くの?
泣きやんだら、洗濯して買い物だな。
もーいらいらする。いいかげんにして。
というような対立する状態ではなく
暑くて泣いているんだな。服着替えないようね
と泣いている原因を冷静に取り除き
お母さんと赤ちゃんが安心を得る。

→そのとき、行者はもはや対立する状況に
 悩まされることはない。(2-48)
対立がなくなる。

一つ一つの行為を丁寧に行うことで
一つ一つの行為が確実に、実行できるようになります。
安定して快適な姿勢だからこそ、集中できて、対立は
生じないのです。




Posted by katsukino at 12:57│Comments(0)
 
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