2011年01月15日

いちばんえらい:どんぐりと山猫



一郎が眼をさましたときは、もうすっかり明るくなっていました。おもてにでてみると、まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。

「裁判ももう今日で三日目だぞ、いい加減になかなおりしたらどうだ。」山ねこが、すこし心配そうに、それでもむりに威張って言いますと、どんぐりどもは口々に叫びました。

「いえいえ、だめです。なんといったって頭のとがっているのがいちばんえらいんです。そしてわたしたいちばんとがっています。」
「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。いちばんまるのはわたしです。」
「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。わたしがいちばん大きいからわたしがえらいんだよ。」

一郎はわらってこたえました。
「そんなら、こう言いわたしたらいいでしょう。このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらいとね。」


タグ :絵本


Posted by katsukino at 08:36│Comments(0)
 
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