2011年12月28日

3つの「統合・サマーディ」のコンセプト

「ヨーガ」と言う用語は、「サマーディ(統合)」を意味する語源の「yuj」から来ている。実際には「サマーディ」と言う言葉は深いトランス状態、あるいは、実現可能な最大限での覚醒状態も意味している。また、それは、最も包括的なレベルでの「心」の活動のコントロールであり、また、最も深層のレベルでの「心」への沈潜、として説明することができる。「サマーディ」は、実習が深まる過程で訪れるある「心」の状態であり、それが人格の「統合」を導くものである。それゆえに、本質的に、「ヨーガ」とは、身体的、心理的、社会的、知的、感情的、そして精神的な、あらゆる可能なレベルでの人格の「統合」を意味しているのだ。

 しかし、ところで、われわれは「統合」という言葉で、具体的に何を意味しているのだろうか?「統合」とは、異なる部分が適切に機能している状態に依存する、全体としての機能の実現を意味している言葉だ。例えば「機械」を例に取ってみよう。あらゆる「機械」はその「機械」の異なる部品が順調に機能する状態に保たれているときに、「機械」全体として十分に機能する。しかし、もし、ひとつの部品でも悪くなれば、その「機械」全体も影響を受け、全体としての順調な機能は不可能になる。したがって、「機械」の「統合」された機能とは、その「機械」のすべての部品が適切に機能している状態を意味している。つまり、全体の調和の取れた機能はすべての個別の部品が協調して働くことに依存しているのだ。

「ヨーガ」では、「統合」あるいは「サマーディ」のコンセプトは、3つの意味を持っている。
1) 異なる部分を、一つに合わせる。
2) それらの部分を、適切な場所と役割に応じて配置する。
3) それらの部分を、適切にコントロールする。

3番目の意味が最も重要であり、「統合」が果たす主な役割である。「ヨーガ」は、英語ではしばしば「(家畜を)繋ぐこと」の意味として訳されている。しかし、ただ2頭の雄牛を一緒に荷車にして繋いだだけでは、雄牛を働かせることはできないだろう。雄牛たちには自分たちを導く御者が必要なのだ。それで初めて荷車は動くことができる。これが「統合」という考え方だ。(Applied yogaより引用)

3つの「統合・サマーディ」のコンセプト
『実用的なヨーガ(Applied Yoga)』
M.L.ガロテ 著
ISBN:81-89485-03-2, 123p. 1990年刊行

本書はヨーガの日常生活の多様な局面での実用性を論じる。医学やテクノロジーの進歩にもかかわらず、依然として苦痛と苦悩の多い現代社会に生きるわれわれは、この古代のサイエンスから得るべきものがあり、古代の賢者たちが人生や人間の行為について示した叡智は現代でも適応が可能であることを示す。



Posted by katsukino at 11:06│Comments(0)
 
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